世界の郵便ポスト


★ 日本編 ★

   《郵便差出箱1号(丸型)、ID認証受渡しボックス等の紹介》

長野県松本市の中町通りで見かけた郵便差出箱1号(丸型)です。 材質は鋳鉄、本体の高さ135cm、直径40cm、郵便差入口の大きさ40×180mmです。 左側面には取集時刻が、平日は1日4回、休日は2回の取集時刻が記載されています。

次の取集は2号便である旨掲出されています。中には取集袋がありませんが360通程度の容量です。 側面から見た1号丸型です。下で支えている根石は高さ20cm、直径60cmです。 お店のミドリ薬品を背景にした全景です。

京王新宿駅西口で見かけたID認証受渡しボックスです。 京王新宿駅で見かけたID認証受渡しボックスです。 埋込み式ポストには取集時刻が16時頃と記載されています。

ローソン店舗内で見かけた郵便ポストです。 神奈川県江ノ島の郵便局前で見かけた明治時代の復元郵便ポストです。 松本市立博物館に展示されている郵便差出箱5号です。

品川駅で見かけた湘南電車型に製作されたオリジナル郵便ポストです。 裏面からみた湘南電車型ポストです。 取集時刻が平日4回、土曜日3回、休日2回の時刻が記載されています。

日本一高所である「新穂高ロープウェイ」(岐阜県高山市)の西穂高口駅(2,156m)でみかけた山びこポストです。 雪が被った山びこポストです。 取集時刻が8:00と記載されています。

年賀状を投函する時期になると、年賀状用の投函口が設けられます。

二口ポストは、「年賀郵便」と「一般の郵便」に投函口が変わります。また、年賀状用の投函口には「お願い」として年賀状は「年賀郵便」と表示のある差入口にお出しくださいと書かれた黄色のシールが貼り付けられます。 ポストにより「年賀はがき用輪ゴム入れ」が投函口の下に設けられます。



☆ コメント

@ 日本のポストといえば、皆様お馴染み?で、今でも頑張っている丸型ポストを紹介します。正式には、郵便差出箱1号(丸型)です。このポストは1949年に規格制定されたもので、材質は鋳鉄、本体:高さ135cm、直径40cm、根石:高さ20cm、直径60cm、郵便差入口の大きさ40×180mm、容量360通で、中には取集袋がありません。全国には4,977本(2010年3月現在)が今でも活躍しています。

A 郵便物は、支店で取集すると切手を消印し、全国宛に区分されると、この支店を受持つ統括支店(旧地域区分局)に運送され、ここから全国の統括支店等に郵便物が運送されます。統括支店は全国に71支店あり、配達を受け持つ統括支店に運送されると、そこから皆様の配達地域を受持つ支店(旧集配郵便局)に運送され配達されます。

B 郵便は、59.2(ごーきゅーに)(1984年2月)の輸送施設の改善により鉄道主体から自動車に切り替わり61.10(ろくいちとー)(1986年10月)までの改善により、全国翌日配達又は翌々日配達をしています。

C 2005年9月から面白い郵便ポストが首都圏に登場しました。駅を中心に携帯電話を鍵としたID認証受渡しボックスです。昼間帯に不在がちな方に便利です。郵便物をそのID認証受渡しボックスにダイレクトに配達してもらったり、不在のときに郵便局に依頼して転送して受け取れるサービスも提供しています。郵便物がそのボックスに届けられると受取人の携帯電話等にメールで教えてくれます。そのID認証受渡しボックスの一部になんと郵便ポストが埋め込まれています。しかし、2007年3月頃にエックスキューブ社の事業が停止し、順次撤去されました。

D ゆうパックリニューアル時(2004年10月)に、窓口の拡大を狙いコンビニエンスストア各社(ローソン、サークルKサンクス、am/pm、ミニストップなど)とゆうパックの取扱所契約を締結しています。その際、CVS内には店内郵便ポストが設置(寄付受け)されるようになりましたが、ローソンについては、2003年1月1日から設置しています。
CVS店内に設置のポストは一般のものより小さいため、定形外郵便物のうち大型のものは投函できなかったので、その後、投函口を大きく改善し、レターパック350・500が投函できるようになりました。
また、東京都に所在する郵政との提携CVSについては、更に、新しいサービスとしてワンデー/オーバーナイトというサービスをゆうパックリニューアルに併せ開始しています。このサービスは午後9時までに提携CVSに差し出されたゆうパックの愛知、静岡、東京、千葉、埼玉、神奈川、栃木、茨城、栃木、群馬、山梨、福島、山形、宮城あては翌日の午前からの配達を、また、午前4時までに差し出されたものは、東京、千葉、埼玉、神奈川、茨城、栃木、群馬、山梨あてについて当日中の配達を実施しています。このサービスは速達料金のような特別料金を付加していません。

E ポストが何故赤いのかについては、1871年の郵便創業時の「郵便箱」(当初の正式名称)は白木のままで、翌1872年の柱箱から黒チャン塗りでした。その後、1901年10月21日から、当時はまだ街灯などが十分に整備されていなかったため、夜間は見えづらくなるなどの問題が起こり、赤塗りのポストが試験的に使われはじめました。初めての赤色ポストは、民間の人が開発したもので、俵谷高七氏考案のもので近代郵便の発祥の地である日本橋の北側に、その後、中村幸治氏考案のものを11月7日から日本橋の南側に設置し試用しました。赤くなった理由は、俵谷氏が1900年の春、黒く塗ったものを逓信省へ持ち込むと、「これから郵便函はすべて赤くなる。赤くするように」と申しつかったと、当時、俵谷氏が話しています。ただし、その指示を誰が行ったかは判明していません。私自身の想像では、模範となったイギリスが、1874年に初めて赤いポストをロンドンのトラファルガー広場など6箇所に設置し評判が良かったので、その後、10年くらいでイギリスの全ポストを赤く塗り替えた背景があり、その状況を逓信省の幹部が知り、赤くするよう考案者に指示したのではと考えます。
なお、ポストの色が正式に赤色と定められたのは、1908年度「逓信省第23年報」の第6章の郵便に関する施設の項に「……公衆ヲシテ認識シ易カラシムタメ特ニ朱塗トセリ(中略)41年11月7日ヨリ施行セリ」とあり、1908年10月29日に制定されています。従って、赤色としたのは、街中で人々の目につきやすくするためが理由としてあげられます。
また、当時は、近代郵便制度が始まってまだ一年のことであり、「郵便」という言葉自体が一般には馴染みが薄かったため、ポストに書かれた「郵便箱」という文字を「垂便箱(たれべんばこ)」と読み違え、公衆便所と勘違したという笑い話のようなエピソードが『郵便創業談』に載っています。

F 郵便差出箱5号は1956年から駅のホームや構内等に設置されました。本体:高さ70cm、幅45cm、奥行33cm、裏面高さ45cmが一般的で、鉄道郵便局の廃止などもあって現在展示等はあっても現役では使用されていません。
上表の郵便差出箱は松本市立博物館に展示されているもので、松本駅の構内で使用されていたものではと思われます。ポストのサイドには松本南局(399-65)と記載されておりますが、松本南局は地域区分局として1996年3月31日までは松本局区内も含め大取集をしていました。大取集とは、松本局の集配エリア内にある郵便ポストや無集配郵便局などで引き受けた郵便物の取り集めを松本局に代わって行うことをいいます。

G 上表にある「山びこポスト」は日本で一番高所にある郵便ポストです。槍ケ岳など北アルプスを望む景色で有名な「新穂高ロープウェイ」(岐阜県高山市)の西穂高口駅(2,156m)にこの郵便ポストがあります。
富士山の山頂近くにあるポストは冬季に閉鎖されるため、1年中取集されるポストとしては日本一高い場所となります。このポストは、思いが遠くに届くようにと願いを込め「山びこポスト」と名づけられ、2007年9月21日に設置されました。ポストは1959年製で郵便差出箱1号丸型と呼ばれる昔懐かしい朱塗りのものです。
取集時刻は横の表示板に8:00頃と表記され毎日取集しています。

H ポストの設置数は郵便制度が始まった1871年には87カ所、1877年では1,246本から戦後の一時期を除き年々増加傾向であり、2012年3月31日現在では185,409本となっています。


トップページへ

inserted by FC2 system